帰省


実家の金沢に帰る。北陸線が激混みでいろいろな物事に殺意を抱く。

駅に着いたらやっぱり雪が残っていた。先週はやっぱりひどかったらしい。しかも寒い。午後3時で気温3度。死ぬかも。


僕は高校卒業後京都で浪人し、大学は東京だったので実家での日常生活の記憶が高校時代のまま停止している。そのために地元の空気や匂いのような物理的な質感に触れるたびに、普段は思い出すことのない高校時代の記憶を不可避的に思い出すことになる。それは具体的なものではなく、気分や雰囲気という形をとったもので、平たくかつ安易な言い方をすれば、思春期の青い情緒性だ。


少し憂鬱だが、割と清清しい。今では忘れかけているナイーブでセンシティブな感傷というものをはっきりと思い出すことができるからだ。